Ubuntu13.04で使える動画編集ソフト一覧

タイトル通り、Ubuntuで使える動画編集ソフトウェア一覧です。
2013年5月にUbuntu 13.04でインストールを検証しています。


なお、Linux環境で使える動画編集ソフトウェアの一覧としては「玉虫色に染まれ!」様のページが大変よくまとまっています。
2008年の情報ですが、字幕やマルチトラックなど、実際の動画編集を行った感想が載っているので、動画編集ソフトウェアを選ぶ際には目を通すべきです。
 Linuxで使える動画編集ソフト(その1)
 紹介ソフトウェア:kino / Avidemux / Stopmotion / PiTiVi
 Linuxで使える動画編集ソフト(その2)
 紹介ソフトウェア:kdenlive / Open Movie Editor / LiVES


紹介されている以外にも、以下のソフトウェアが存在します。
そうはいっても、用途が違うソフトウェアもあり、動画編集ソフトとしてはFlowbladeが一押しといったところです。
luciole / Cinelerra / toonloop / Flowblade Movie Editor / ffDiaporama

紹介順は基本的に、見比べやすいように上記の「玉虫色に染まれ!」様に準拠しましたが、Open Shot Video Editor / Open Movie Editor / Cinelerra / Flowblade / ffDiaporamaに関しては、ソフトウェアセンターからインストールできないため、この記事の先頭で紹介しています。


各ソフトウェアごとに、名前・アイコン・スクリーンショットを用意し、インストール方法・検証・感想をつけました。

とりあえずすべてのソフトウェアで、動画再生できるか検証しています。
検証で使った動画は、H246/AAC 形式です。(「よくわかる現代魔法」ノンテロップOP  再生時間 1分30秒, Container:MPEG-2 Transport Stream, サイズ:1920 x 1080, オーディオ audio/x-private-ts-lpcm)
インポートと再生(サウンド出力含む)ができるかどうか検証しています。
ただし、今回紹介するソフトの一部は、普通の動画編集ソフトではないため、検証の対象外となっています。
本来なら検証は動画のインポートではなく、エフェクトを使った素材の張り込みや、字幕の作成ができるかどうかを見るべきですが、それは機会があればいずれ。

感想:
検証以外で、使ってみて気になった点などがあれば追記しています。



Open Shot Video Editor





 sudo add-apt-repository ppa:openshot.developers/ppa
 sudo apt-get update
 sudo apt-get install openshot
( frei0r-pluginsは自動導入されるようです)

 なお、わたしの環境ではこのリポジトリ追加後 apt-get update でエラーが出るようになるので、インストール後にリポジトリを削除しました。
(sudo rm /etc/apt/sources.list.d/openshot_developers-ppa-raring.list)

検証:
動画も音声も問題なく再生できた。

感想:
落ちることもなかったので、もしかしたら良いかもしれません。誰か実際の編集作業をレビューして欲しいです。



Open Movie Editor (インストール手順を調査中)

13.04版のパッケージはありません。(Ubuntu10.04 (Lucid Lynx)版のパッケージはある。)
仕方がないのでソースを入手してコンパイルします。

./configureファイルを実行します。
ライブラリ不足でエラーメッセージを吐くので、それに従って必要パッケージをインストールしていきます。

libsamplerate0-dev
libsndfile1-dev
libgavl-dev
libgmerlin-avdec-dev
libgmerlin-dev
libquicktime-dev
libjack-dev
libportaudio19-dev
libfltk13-dev

エ ラー「configure: error: Lame Codec in libquicktime not found, reinstall libquicktime with lame enabled」 の問題を解決するのは面倒そうだったので、作業を一時停止。
いずれ、libquicktimeのlameオプション付きコンパイルを試すか、別の手を考えます。



cinelerra





https://launchpad.net/~cinelerra-ppa/+archive/ppa
に従って、
/etc/apt/source.listに以下の二行を追記
  deb http://ppa.launchpad.net/cinelerra-ppa/ppa/ubuntu raring main
  deb-src http://ppa.launchpad.net/cinelerra-ppa/ppa/ubuntu raring main 
鍵の登録は「ubuntuのダウンロードでCinelerraがダウンロードできません・・」様より
gpg --keyserver keyserver.ubuntu.com --recv-keys CBDFA02B432BB368
gpg -a --export CBDFA02B432BB368 | sudo apt-key add -


インストールはコマンドを実行
sudo apt-get update
sudo apt-get install cinelerra-cv

検証:
再生できなかった。
ドラッグアンドドロップできないので、ファイル選択ダイアログでインポート。
トラックに追加しようとしたら、アプリケーションがクラッシュした。

感想:
UIが古い。(マルチウィンドウ&小さなビットマップ・フォント)
パーツ類も、GTKやQtのツールキットではなく、Blenderのような独自実装の雰囲気があります。
ドラッグアンドドロップによるビデオ取り込みができませんでした。
日本語のディレクトリ名は文字化けして、インポートが難しくなります。

Flowblade Movie Editor




Ubuntu Sharing様が紹介していました。
ただ、このサイトで紹介しているppaがUbuntu13.04環境で使えないので、公式サイトの指示でdebファイルをダウンロード。この方法なら問題なくインストールできました。
どうでもいいことですが、Ubuntuで使うと表示されるアイコンが違います。

検証:
現代魔法OP(h264/AACのmp4動画)の動画を再生できませんでした。
悔しかったのでmkvファイル(まどかマギカBD6巻の本編)で試したところ、インポートできました。
どうやらインポート時にファイル形式かエンコードを見て、インポート可能か判定しているようです。

感想:
最初、動画のインポート方法がわかりませんでした。MediaタブのBinsをAddするのではなく、同じタブの隣のAddボタンで、素材のインポートが可能です。
インポート可能なファイルを、インポート時のファイル選択ダイアログが判定してくれる機能も、そうとわかれば気が効いていると感じます。



追記(2013/06/28):

ffDiaporama





SourceForge.jpにて紹介されていましたので、ffDiaporamaをインストールしてみました。
公式ページであるhttp://ffdiaporama.tuxfamily.org/のDownloadページから、debファイルをダウンロード。今回はリポジトリ登録はやめておきました。

検証:
現代魔法OP(h264/AACのmp4動画)は、静止画として認識するようでダメでした。
mkvファイル(まどかマギカBD6巻の本編)は動画としてインポートできました。
Flowblade Movie Editorと似た結果です。

感想:
エフェクト(トランジション)選択画面で、各トランジションがプレビュー動画になっていました。
どんな効果を適用できるのかとてもわかりやすく、とっつきやすいソフトウェアだと思います。



kino






検証:
再生できなかった。
インポートダイアログが出るのだが、いつまでたってもインポートが終わらない。



Avidemux 




 検証:
動画は問題ないが、音が再生されなかった。
一時停止ボタンがどこにあるのかしばらく悩んでしまいました。再生ボタンと兼用で、気づいてみれば、アイコンもよく考えられた形になっています。

感想:
 AvidemuのパッケージにはGtk版とQt版がありました。今回はgtk版を選択。もしかしたら対応コーデックや不具合の数が違うのかもしれませんが、Qt版は試していません。



 Stopmotion




感想:
動画をインポートする方法がわかりませんでした。「コマ撮り画像を繋げて動画にするソフト」と紹介されていますし、使い方が違うのでしょう。



PiTiVi





検証:
動画を再生できなかった。
オーディオプラグインが認識されず、動画をインポートできない。「マルチメディアプラグインを検索しています」と出て、プラグインのインストールを促されるが、プラグインをインストールすると検索に戻って、以下無限ループ。

感想:
デコーダにGStreamerを使っているようで、もしかしたら動画を再生できなかったのはPiTiVi自体の問題ではなく、システムに適切なデコーダが必要なのかもしれません。(実際、Ubuntu13.04デフォルトのTotemメディアプレイヤーでも、同じようにデコーダのインストールを促され、動画を再生できない。)


kdenlive




検証:
動画・サウンド共に問題なく再生できた。
特に問題ありません。動画再生時間の数字がブルブル震えるのが気になるくらいです。

感想:
kedenliveは起動時にウィザードが起動しますが、ウィザードに適当に答えても、動画をインポートするとインポート動画にプロジェクト設定を合わせるかどうか問い合わせてくれます。
不意なクラッシュを経験したので、2008年からまだ不安定さを解決しきれていないようです。
そうはいってもクラッシュ後にプロジェクトをリカバリする機能もついているようです。


LiVES



LiVES初期起動時の設定画面(これ以外に文字化けしている場合もあった)

LiVESシンプル(クリップエディタ)モード
LiVESシンプル(クリップエディタ)モード

LiVESマルチトラックモード
LiVESマルチトラックモード
検証:
「無効な再生速度です」と出るのですが、動画のfpsとプロジェクトの設定を合わせないといけないのでしょうか。(47.95いくつ、と設定するのが面倒だったのでスルー。そして、fpsの異なる動画を組み合わせる場合はどうするのでしょうか。)

感想:
クリップ編集モード/マルチトラックモード があります。(単純なカット編集か、複数の動画を組み合わせたものを作るのか、でモードが違うようです。)
マルチトラックモードは、全画面表示にしておかないとUnityデスクトップではみ出します。しかも、ウィンドウ幅を小さくすることができませんでした。
それから、下の情報ウィンドウで状況はわかるので困らないですが、情報ダイアログに文字が表示されない不具合はどうなのだろうか、と思いました。

LiVESの情報ダイアログ(文字が正常に表示されていない)



luciole



検証:
検証対象外。lucioleはコマ撮り動画作成ツールであって、動画編集ソフトではないので。


toonloop





検証:
検証対象外(?)。そもそも起動しない。

感想:
検証対象外というか「ライブアニメーションエディター」ってlucioleと同じようなものなのでしょうか。
なぜか起動しなかったので、スクリーンショットもなしです...。



おわりに (とりとめのないメモとして)

「Open Shot Video Editor」と「Open Movie Editor」が紛らわしいです。Google検索ですら、「Open Shot Video Editor」を検索すると「Open Movie Editor」が出てくることがありますが、2つは別々のソフトウェアです。
注意して調べないと、混同して混乱します。

Flowbladeを見つけたのも偶然でした。"Open Movie Editor"で検索して引っかかりました。
オープンソースの動画編集ソフトって、実はもっとたくさんあって、まだ日本語で紹介されていないだけなのかもしれないな、と思いました。
(日本にもJavieなどがありますが、Linux対応していないです...)

toonloop起動しない...。

もしかしてcinelerra人気なのでしょうか。私の検証方法が悪かったのかもしれません。

英語のサイトで見かける意見ですが、「Blenderはイイ動画編集ソフトウェアだよ!」って言われましても困ります...。

オープンソースではありませんが、LightworksのLinux版があるそうです。

英語版Wikipediaに動画編集ソフトウェア一覧がある!
 Lumiera、 VideoLAN Movie Creator(VLMC)など、見たことのないソフトウェアが登録されているので、後日チェックしたいです。


なお、このページのアイコンおよびスクリーンショットは、自由に転用していただいて構いません。
(もちろん、転載者が自分の責任で使用してください。私は一切の義務と責任を負わないこととします。私が許諾できる範囲で使用を自由にするだけです。アイコンおよびアプリケーション自体の権利は各ソフトウェア作者やプロジェクトが持っていることを忘れないでください。)

そして、誰か2013年下半期版や2014〜版の、動画編集ソフトウェア一覧を作ってください。編集機能のレビューも読みたいです。
(自分で調べる面倒がなくなって助かります。)


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