RuneAMN_Proの話 - #LOVEFONT Advent Calendar 2014-


はじめまして。Michinari Nukazawaと申します。
今回は、なぜか空いていた #LOVEFONT Advent Calendar 2014 の7日目の代打として、拙作のルーン文字フォントセット「RuneAssignMN_Free」および「RuneAMN_Pro」と、なぜこれらのフォントを作ったのかについて、書かせていただこうと思います。

6日目はMignon Styleさんの「すっきりして可愛い商用可のフリーフォント MigMix」でした。

まさか、初Advent Calendarが代打になるとは思いませんでした。だったら手を挙げるなという話かもしれませんが。
荒削りですが、ご容赦ください。


自作ルーン文字フォントを作るにあたって、紙面でデザインを練った

あなたは誰?

あらためましてはじめまして。MNukazawaと申します。Project "daisy bell" [booth.pm] の主催者です。
現在は、ルーン文字フォントセット「RuneAssignMN_Free」および、
フォントセット「OlChikiAssingMN_Free」をフリーで公開しています。
また、フォントセット「RuneAMN_Pro」を販売しています。

最近ではオープンソースのフォント作成アプリFontForgeの日本語訳ページ不具合修正などをやったりしていました。
わたしは自分の肩書はプログラマだと思っています。...が、いつのまにやら現在の主なプロダクトはフリーフォントになってしまいました。
責任者はどこか。俺か。


RuneAssingMN、フリーフォント版の簡素な紹介画像
RuneAMN_Pro版ではさすがに、見本画像のデザインにも注意した

フリーフォントの配布はSourceForgeでも行っています。
こちらは、サポートのTwitterアカウント。Twitterでは、今のところほぼ毎日、フォント作成の作業経過を報告しています。

daisy bell のBOOTH。この前予告なしにユーザアイコン領域が追加されて驚いた。

これらのフォントは、ただ配布・販売しているだけでなく、その制作に使用したプログラム(ビルドスクリプト)と素材ファイルをgithub上で無償公開しています。
(Pro版も、すべてのビルドスクリプトと、スクリプトの動作検証用に1フォント素材を公開している)


LOVEFONTはフォント利用者の視点がメインのようなので、今回は製作者として。(アドベントカレンダー内でフォント会社の中の人の登場予定とかありそうで怖いですが...。)

RuneAMN_Proフォントセット作成までの過程

最初に重要なことを。

FreeはProの体験版ではありません

サブセットでもない。
完全に独立したフォントセットで、どちらかというとProが従(後)。

RuneAssignMN_Freeフォント

ソフトウェア世界には「オープンソース」という考え方があります。
「自分の作ったものを無償公開し、いろいろな人に使ってもらう」
オープンソースに貢献したい、何かをオープンソースで公開してみたい。
そう考えていました。

で、ある時、Puella Magi Wikiの解読班&フォント作成に影響された。
(私が公開しているフリー版ルーン文字フォントの割り当て表は見ましたか?)
重要な点として、私はフォント界隈の外の人間として、その時はじめて、
フォントはひとの手で作ることができるんだ!』
ということを認識しました。(フォントワークスジャパンとか何の集団だと思っていたんだ私...。)


これらのことが重なって、『そうだ、フォントを作ろう。』と思い立ったわけです。

しかし、1万文字を超える日本語フォントを作るのはとても大変です。
また、普通のフォントは、大手フォントベンダがすでにほぼ作り尽くしています。
(モリサワとフォントワークスがサブスクリプションに移行したのはAdobeと同じ理由で、製品はすでに完成してしまっており、ユーザはもう新製品を買う理由が無くなったからなのだろうと思います。)
そこで、ちょっと狙いを変えたフォントを作ることにしました。
つまり、『ファンタジーなイラストで使えるフォントを作ろう』。
調べたところ、文字にもいろいろあることがわかりました。
そして、『ルーン文字』のフリーフォントは5件しかない。(そしてライセンスを調べると、本当に「フリー」と呼べるものはそのうち3件だけだった。)
イラスト・デザイン向けにルーン文字フォントの需要はあるのではないかと思いました。

そして、3つのフォントをまとめたフォントセットとして、RuneAssignMN_freeフォントセットをリリースしました。
リリースまでは、初めてだらけの行程でした。たとえば、ルーン文字とアルファベットのライセンスフリーかつ完全な対応表が存在しなかったため、自作する必要がありました。
他にもいろいろ勉強し、技術的な問題を解決しつつ、紆余曲折の末のリリースでした。

このフリーフォントのライセンスは、2-clause BSDです。このライセンスはたとえば、
・このまま値段を付けて売っていい!
・このフォントを元に商業フォントを作って売っていい!
・ゲームとかに組み込んでOK!
・もちろんイラストに使い放題!
・上記のことを作者に連絡する必要もない!
といったことが許されます。(なのでぜひ使ってください。)

また、 フォントだけでなく、作り方と使ったプログラムも同じライセンスで公開しました。

で、満足したのでこれで終わるはずだったのですが。

RuneAMN_Proフォント

Q.「オープンソース」と言いながら、なぜフォント”販売”をすることにした?
A.父が定年退職したので。

私は院卒であったため、まだ社会人2年目...。
手っ取り早くお金になるものはないか?

作ったばかりのフォント+ビルドシステム+まだ作り方を覚えている
=そうだ、フォントを作って売ろう!

しかし、既にフリーで公開しているものを売りたくはない。
=そうだ、(フリー版とビルドシステムを元に)まったく新しい書体を作って売ろう!


Pro版制作にあたって、新たに立ちふさがった技術的な課題など、何が起こったかはいずれ、「RuneAMN_Proへの道 part1〜」などと題して記事にするつもりでいます。今ゆっくり書いている。
そのシリーズでは、フォント作成に特有のSVG画像の取り扱いや、グリフデザインの手順、書体見本誌の作成(PDF注意)。そして何より、「フォントファイル」を「フォント製品」にするために私がやったことを、もっと具体的に書くつもりです。


フォント製品には必ず付いてくる書体見本誌(写真は草稿)。
Web上で公開しているので、購入前に見ることができる。

技術的な課題の例:「RuneAssignMN」 ->  「RuneAMN」へシリーズ名を変更。
Windowsのフォント名前数制限に引っかかったので。(32文字だったっけ?)
(この例はしょぼいな...。)

ともかく、そんな感じです。


で、LOVEFONT的に。

Q. 自分の作ったフォントのなかで、どのフォントが好きなの?理由は?
A. FreeならばSerif、Pro版ではBlackletterかな。
    理由? どれも自分の娘のように可愛いに決まっている。

RuneAssignMN_Serifのここがすごい!

RuneAssignMN_Serifの書体素材画像(のjpg出力)

Roman体のような綺麗なセリフ体を目指しました。
ルーン文字の直線からなる角ばった形状に、セリフがよく似合います。
他のルーン文字フリーフォントに、セリフを持っている書体は存在しません。RuneAMNだけです。


RuneAMN_Blackletter のここがすごい!

ブラックレター体の書体見本より。
魔法・魔術と強く印象づけられたルーン文字と、華美な装飾が特徴のブラックレター体。この組み合わせは非常に相性が良く、非日常を演出するのにこれ以上ない効果を発揮してくれるはずです。
もちろん、他のルーン文字フォントにはブラックレター体は存在しません。
(またかよ、と思いますが、実際ないです。(あったら恥ずかしいなこれ。))



RuneAMNシリーズフォント、今後のFuture

といっても、リリースされるのは夏かもしれないし、そうでないかもしれない、というくらいのものです。
また、Pro版は、購入済みユーザには何らかの優待をする予定です。無償アップグレードとか。

ブラックレター体のデザイン方法

RuneAMNとは直接関係ありませんが、私なりにブラックレター体フォントをデザインした際の知見を還元するつもりです。
そのうち図と言葉にまとめて、Pixivなどにアップロードすると思います。

フリーの文字列素材・フリーの魔法陣素材ほか

RuneAMNフォントが使いやすくなるよう、フォントを使って作成済みの素材を、フリーで公開するつもりです。
また、他にもいろいろと工夫をしようと考えています。
今のところは、サポートのTwitterアカウントにて、一日一個のペースで魔法陣素材を作り貯めているところです。



新しい書体!

フォント製品ですから、製品強化するにあたって、新しい書体の追加に勝るものはありません。
今のところ、複数のKnife書体(くさび形文字書体)の追加が決定しています。
各Knife書体は、デザイン済みで校正前。

デザイン作業中の、RuneAMN_KnifeC書体(仮)


他にも構想・デザイン中の新ルーン書体がありますが、それはまたいずれ紹介できればと思います。

総括:みなさんフォント作りませんか!

ビルドスクリプトも画像ファイルのすべて公開しています。
今も改善を続けています。
(たとえば今日、システムの一部をPython移植してリファクタしたので、機能追加しやすくなりました。これも、いずれ公開します。)
MNukazawa / daisy bellは、競合・ライバルを大歓迎しています。


プログラマの方へ:
FontForgeはすばらしいスクリプト環境(ネイティブorPython)を持っており、画像からのフォント生成を自動化できるすばらしいアプリケーションです。
フォント周りで活躍しているプログラマはあまりいないようなので、FontForge周りやSVG周りで暗躍して、もっとデザイナの方がフォントを作りやすい世界を作りませんか。

そして、プログラマでもフォントを作れます。私は作った。
1万文字を超える収録文字数の日本語フォントとか、むしろプログラマにしか(事実上)作れないと思います。私はまだ作ってないけど。
いかがですか。


デザイナの方へ:
今はGlyphs(Web上に日本語利用者の詳しい解説記事が見つからなかったけど)とか、Superpolator(同上)とか、すばらしい(私は使ったこと無いので...)フォントアプリがあるらしいので、フォント作りませんか。
そして、Glyphsとか、利用者の声をネットで訊いてみたいです。

あ、もし、非フォント系デザイナの方で、フォントを作りたい方がいれば、ロハで相談に乗ります。相談だけかもしれませんが。Twitterでお声掛けください。
あと、FontForgeは無料で、しかも親切な日本語マニュアルまでWeb上に無償公開されているのでオススメです。

今どきのFontForge(2014/12)

以上です。


明日の#LOVEFONT Advent Calendar 2014は、sada_hさんの「精興社書体について #LOVEFONT」です。よろしくお願いします。

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