FontForgeでフォントに「文脈依存の置換(conditional features)」を設定する


FontForgeでフォントに「文脈依存の置換(conditional features)」を設定する手順を解説します。
文脈依存の置換は、前の文字によって次の文字を異字体に置き換える機能です。
筆記体(Script)書体にはぜひ必要な機能です。文字間の線を滑らかに繋げるために、前の文字に合わせて字形を変えなければならないからです。
Conditional Feature in my font.
caltにより設定された条件により、aaltによる置換を呼び出すものと思われます。 わたしも本設定を試している途中なので詳細はまだ不明です。
 
なお、本手順中でLookupとSubtableの名称は、FontForgeが自動生成するデフォルトのものを使用しました。
FontForgeは、日本語環境では日本語の設定名を生成します。
今回は、LANG=Cを頭に付けたコマンドライン呼び出しにより、英語ロケールとUIで作業を行いました。
英語のリファレンスを検索しやすい、などの利点もあるので、英語ロケールで作業することをおすすめします。


References:
チュートリアル (その 7)』による条件付き機能による置換を使用します。英語版『Tutorial #7 (Conditional Features )』も、日本語版が少し古くなっているので、必要に応じて参考にしました。
しかし、この英語版も説明が丁寧ではないので(あるいは英語版も古くなっているので) 、既存の条件付き置換を使用したフォントをFontForgeで開いて設定を読んだりしました。

This sample setting:
letter "b" を前の文字によって "b.high" に置き換えます。
"b.high"には適当なコードポイントを割り当てました。これがテストであるためです。本当はフォント固有の異字体を置くためのコードポイントが定義されているので、その領域を使うべきです。

## Create "b.high" letter




適当なコードポイントに"b.high"を作成します。
デフォルト設定では、一部の文字を覗いてユニコードコードポイントによる"uniXXXX"といった名前が付いています。エディタ上部の名前入力欄か、MenuのElement>GlyphInfo(グリフ情報)から、グリフの名称を"b.high"に変更します。

Setting lookup aalt(Access All Alternates)

Lookup aalt

Menu "Element" > "Font Info"
エレメント > フォント情報

"Lookup"/"GSUB" tab > "Add Lookup" button
 Lookups タブの "add lookup"

Type: "Single Substitution" > Feature: "Access All Alternates" (aalt)
種類:単純置換 > 機能:すべての異字体へのアクセス

どれがaaltなのかわからない場合は、種類:単純置換 > 機能:必須の機能 で出てくる RQDを指定してから、直接"aalt"とタイプして書き換えることができます。

Select GSUB Lookup features.

# Subtable aalt

Selected target aalt lookup.
"Add Subtable" button
Base Glyph Name: "b" / Replacement Glyph Name: "b.high"



aalt setting.

## Setting lookup calt(Contextual Alternates)

# Lookup calt

"Lookup"/"GSUB" tab > "Add Lookup" button
Type: "Contextual Chaining Substitution" > Feature: "Contextual Alternates" (calt)
種類:文脈連鎖依存の置換 > 機能:文脈依存の異字体

GSUB add lookup.

注意:この時、Type: "Contextual Substitution"を選んでもcaltを作成することができますが、
こちらは同じcaltでも、目的である文脈連鎖による異字体の設定ができません。
必ず、Type: "Contextual Chaining Substitution" を選択してください。



# Subtable calt

Edit Cahining Substitution "By Classes" / Dialog Type:"simple"
"クラスで指定" / Dialog Type:"シンプル"

以下は日本語環境でも同じ
Match Classes(1) Name:"hight-after" Glyphs in the class:"v"
Match Classes(2) Name:"letters" Glyphs in the class:"a b c d e f g"
Matching rules based on a list of classes:
"high-after | letters @<'aalt' Access All Alternates in Latin lookup 0> |"


select match type and dialog type.


edit calt features.

# Check setting conditional features.

Menu: Window > New Metric Window
Menu:ウィンドウ > メトリックウィンドウを開く
write: "abvb"

Conditional Feature (Metric Window).

この記事は「FontForge conditional features (calt/aalt)」の日本語版です。


by MichinariNukazawa(ja) @ Project daisy bell(product freefont/font)

ffmpegフォークで、動画から静止画を連続キャプチャ (Ubuntu 15.04)

ソルジャーレギオンのデザインが知りたくなったので、「ガメラ2 レギオン襲来」を静止画キャプチャして観察することにしました。
最初は、VLCのキャプチャ機能で、シーンを前後しつつ撮っていたのですが、フレームを指定して移動する機能がVLCに見つからず、映りの良い静止画を撮るのが難しかったため、ffmpegで一括取得した静止画から良さそうなフレームを抜き出すことにしました。
ソース動画はBD由来、ただし北米版です。
作業環境はUbuntu15.04。

キャプチャした静止画像
(『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)より)


簡易まとめ:
・ffmpegフォークのavconvを使う
・'-ss'オプションを先にしても高速化は望めない?
・'-qscale'は必須
・'-qscale'は0でも1でも結果は同じ

avconvを使う

Ubuntuは15.04の時点で、ffmpegフォークでコマンド互換のavconvを採用しています。
手間をかけて外部からffmpegを持ってくるよりも、avconvを使うべきです。

静止画取得のオプション指定

今回のコマンドは以下のようにしました。
 avconv -ss 2250 -t 22 -qscale 1 -f image2 %06d.jpg -i

'-ss'は抜き出し開始位置を指定します。
『'-ss'オプションを'-i'より先に指定すると、開始位置から動画を読むので高速化する』というTIPSがあるとされていますが、今回作業した環境ではその効果が見られませんでした。
(オプション位置を逆にした版を試していないので、もしかしたら効果があったのかもしれませんが。効果がなくても目的は果たせるので確認していません。)

'-t' は抜き出し終点とされていますが、これは抜き出し開始時点からの相対的な経過秒です。
絶対時間ではありません。

'-qscale'は静止画のクオリティを指定するオプションです。指定しないと明らかに品質が落ちます。
指定値の最高レベル1を指定しておきます。今回の環境では、指定値は0でも1でも結果は同じでした。

'-r' はfps固定で動画を抜き出すオプションです。今回は、gif動画を作るわけではないので、固定フレーム24fpsにする必要はありません。よって'-r'オプションは不要です。


備考

・同一ディレクトリ内に多量の画像を置くと、nautilusファイルマネージャの反応が明らかに悪くなるので、一度に静止画キャプチャする時間は短いほうが良い。
・大量のBD(フルHDサイズ)静止画をUbuntuデフォルトの画像ビューアで閲覧するのは辛いので、別途ビューアを用意するべき。 参考:『Ubuntu14.04で使える画像ビューア一覧

・今回の動画(平成ガメラ)はBD由来といっても、BD登場前の作品であり、動画はリマスターか何かなので画質には限界がある。
・しかも北米版(G1/G2は同一ディスク内に収録)なので、日本語版よりたぶん少し画質が落ちている。
・後半のソルジャーレギオンの戦闘シーン、紫のフラッシュが炊かれる2~3フレームの箇所が顔アップなので観察しやすそう。
・やっぱり平成ガメラは良い。

なお、スクリーンショットに使った画像の一部は、
「『ガメラ2 レギオン襲来』(1996) 監督:金子修介」
より。

主な参考URL
基本オプション:
http://qiita.com/matoken/items/664e7a7e8f31e8a46a60
qscale:
https://trac.ffmpeg.org/wiki/Encode/MPEG-4
画像ビューア:
Ubuntu14.04で使える画像ビューア一覧 

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